リユース経済新聞より。

フィリピンで古物市場を運営するATCグループ(東京都練馬区)は3月24日、フィリピンのタルラック州に2拠点目となる古物市場を開業した。日本から輸入したコンテナを現地バイヤー向けに競る。発展が進むルソン島中部の中古需要に応える。

ルソン島中部の中古需要開拓

新会場の様子。日本の中古品がズラリ新会場の様子。日本の中古品がズラリ

同社のオークション拠点はラグナ州ビニャンという街で、マニラ南方に位置する。一方でオークションを新設したタルラック州は、マニラから北上した場所に位置している。タルラック周辺は高速道路の整備により開発が進み、地価も上昇傾向にあることから、事業拡大のチャンスがあるとみる。バギオ等、タルラック以北の都市における中古需要にも応える。

市場は毎週月曜開催。各回、20〜50人程度のバイヤーが参加し、出来高は250万〜500万円で推移。1回あたり1.5〜2本のコンテナの内容物を、現地で開封・検品して競る。

日本からの輸出需要は根強いが、フィリピンの経済発展に伴い、徐々に低品質の中古品は売れにくくなっている。佐々木純生CEOは「フィリピンに出回る中国製品の品質が上がっており、昔のように何から何まで処分のために輸出できる時代ではなくなった」と指摘。「生き残るためには状態が良い中古品を輸出する必要がある」と話す。

佐々木純生 CEO佐々木純生 CEO

そこで同社は、約110社の取引先をはじめとする輸出業者の育成を強化。取引する日本のリユース企業に赴き、輸出に適した商材や、仕分け、コンテナの組み方などを指南している。「家具だけ、お皿だけといったやり方ではなく、1コンテナでお店が作れるくらいのバリュエーションがあるのが理想です」

今後は輸出する中古品の質量と事業者の信頼性を高めるため、数社が連合した組合形式でフィリピン向けの中古品輸出を行っていく考え。